奥田龍人氏の第17回ケアマネ試験講評・介護支援分野

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介護新聞(平成26年10月30日)で、恒例のケアマネジャー試験講評が行われています。

奥田龍人氏(NPO 法人シーズネット)が、第17回ケアマネジャー試験の介護支援分野について書いています。

出題順番が初めて変わった。これまで、基本テキスト第1巻の記載順に出題されていたが、今回は市町村介護保険事業計画、介護サービス情報の公表、財政安定化基金、審査請求、財政と、基本テキスト後半部分が最初から出題された。

【問題1】の介護保険事業計画は、毎年必ず1問出題されており、易問といえる。【問題2】の介護サービス情報の公表も、ここ数年は毎年出題されている。情報の公表は当初、失敗した施策と言われていたが、失敗を取り戻すためには意義をケアマネ試験でも訴えなければならないことは十分理解でき、受験対策講座では「今年も出題される」と伝えてきたが、やはり出題されたという印象だ。少し迷うところが、選択肢4「運営情報には、職員研修の実施状況が含まれる(○)」。基本テキストにはない細かい内容だが、「サービスの質の確保のために講じている措置」と考えれば理解できるだろう。間違っている選択肢も分かりやすかった。

【問題3】の財政安定化基金、【問題4】の審査請求、【問題5】の介護保険財政も基本的な出題で難しくはない。【問題6】の地域密着型介護予防サービスも間違っている選択肢が分かりやすい。【問題7】の指定居宅サービス基準も不正解の選択肢が分かりやすく易問だった。

【問題8】の基準該当サービスの出題は意外だった。施設サービスは基準該当サービスとして認められていないため、「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護は、基準該当サービスとして認められる(×)」は分かった人が多いと思うが、「サービスに関する基準は、厚生労働省令では定められていない(×)」は迷った人が多かったのではないだろうか。「基準該当」とは厚生労働省が定めている指定要件(運営基準等)を完全には満たしていないが、保険者が一定の水準を満たしていると認めた場合、「基準該当サービス」とするものである。

【問題9】の低所得者対策はやや細かいが、社会福祉法人による利用者負担軽減制度をしっかり勉強していれば正答できただろう。社会福祉法人の社会貢献が話題となっているだけに、受験対策講座でも強調したが、実際はもっと活用されても良い制度だと思う。

【問題10】の特例介護給付費は、これに該当するのはレアケースであり、難問というより珍問。特例サービス費の要件は①認定申請前にサービスを受けた場合②基準該当サービスを受けた場合③離島などで相当サービスを受けた場合④被保険者証を提示しないでサービスを受けた場合 – などである。介護給付の種類として位置付けられているのは、選択肢3「特例地域密着型介護サービス費」と選択肢5「特例居宅介護サービス計画費」で正答は3と5。重箱の隅をつつくような出題だ。

【問題11】の保険給付は細かい知識を聞いているが、正答の選択肢が分かりやすい。【問題12】の区分支給限度基準額が適用されるサービスは基本中の基本で、この問題は間違ってはいけない。

【問題13】〜【問題16】は要介護認定が4題出され、例年より1問増えた。【問題13】は例年のレベルと同程度の問題で、すべての選択肢が過去問の変形。やはり過去問のチェックは大事だ。【問題14】は認定調査票に特化した珍しい出題。基本テキスト第1巻124ページの表の範囲だけではなく、より細かいところまで聞いている。「家族の介護力」が認定調査では考慮されないことが分かっていれば正答にたどり着けるだろう。【問題15】も認定基準時間の算定という珍しい出題。08年度と06年度に出題されて以来ではないだろうか。「1分間タイムスタディ・データに基づく」ことと、「実際の家庭での介護時間ではない」ことが分かっていれば解けるが、見過ごしやすい箇所かもしれない。【問題16】は例年通りの問題で過去問の変形だった。

【問題17】のケアマネ業務は、間違いが明確な易問。【問題18】のケアマネジメントも同様だが、選択肢4「生活保護受給者のケアプラン作成は、福祉事務所の現業員が担当する(×)」というのは、ケアマネにとって魅力的な提案ではないだろうか。【問題19】の介護予防サービス計画作成は、少し迷った方もいたのではないか。選択肢2「問題志向型で作成しなければならない(×)」の正解は、「目標志向型」である。

【問題20】の介護予防支援のためのサービス担当者会議は、やや難問。選択肢1「介護予防福祉用具貸与を利用する場合は、定期的に開催する(×)」は「必要に応じて随時開催」が正解。選択肢3「会議の記録は、その開催日から2年間保存しなければならない(×)」はうまい引っかけ問題で、正解は「介護予防支援が完結した日から2年間」である。

【問題21】の施設サービス計画の課題分析は、間違っている選択肢が分かりやすく易問。【問題22】のケアマネ業務も間違っている選択肢は分かりやすいが、間違っている選択肢がケアマネの手抜きを勧めており、ケアマネはこのように思われているのかとも感じた。

【問題23】の介護保険施設は、老健を開設できる事業者を問う選択肢が2つあるなど、過去問にはあまり見られない出題だが、間違っている選択肢が分かりやすかった。【問題24】【問題25】は事例問題だが、いつも通りの易問で、利用者目線から考えれば正解にたどり着ける。特に、上から目線の「指示した」などの選択肢は不正解。【問題24】のヘルパーとの会話が楽しみで回数減に応じない事例は、ケアマネの悩みをうまく表現している好事例と感じた。

第17回ケアマネジャー試験を受験された方の参考になれば幸いです。

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