介護新聞(平成27年10月15日)で、恒例のケアマネジャー試験講評が行われています。
斉藤潤子氏(札幌ケアプラン相談センター所長)が、第18回ケアマネジャー試験の保健医療サービス分野の講評について書いています。
2015年度は「介護支援専門員基本テキスト」(長寿社会開発センター発行)が改訂されただけでなく、保有資格によって定められている解答免除規定が廃止され、全受験者がすべての問題を解答することになったため、どのような内容になるか見えないところが多かった。
14年度までの保健医療サービス分野は、かなり専門的で詳細な内容だったが、15年度の内容は一見すると全体的な基本問題で、これだけは確実に知っていてほしいという内容だったと思う。
しかし、詳細に見ていくと、情報をまとめて確実に理解することで解答できる問題が多く出題されており、14年度まで出題されていた疾患に関する基本的な問題は出題されていなかった。特に、脳血管疾患や心疾患など、出題の定番と考えられた問題は少なかった。
単に症状や病気の種類ではなく、悪化予防、リハなどの出題についても、介護方法やケア内容まで広く全体を理解して解答する内容が多くなっていた。医療関係者にとっては簡単な問題でも、介護職や福祉職がここまで読み込んで解答できるか疑問である。
【問題27】の低栄養では、選択肢5に挙げられている判定の際の上腕や下腿の周径長の測定については、テキストに記載されていたが、医療関係者以外でそこまで読み込んでいた人がどの程度いたかは分からない。【問題29】の薬剤についても、内服方法から腎機能の低下などの機能・症状に応じた対応、飲み忘れ防止の方法など、内容は多岐にわたっていた。
【問題31】の胃ろうでは、選択肢4のチューブ型カテーテル固定時の1〜2cm の「あそび」についても、専門職でなければ理解するのが難しいのではないだろうか。【問題33】の排泄では、多職種連携の必要性が示唆されていた。
【問題36】【問題37】は難病についてまとめて出題されていたが、それぞれの難病の大枠で理解することが必要。【問題38】の選択肢1では、障害福祉と介護保険の給付の違いをおさえておかなければならない。介護保険サービスとして【問題30】介護保険施設、【問題40】短期入所療養介護、【問題42】訪問看護、【問題45】居宅療養管理指導が出題されたが、内容・基準・特徴など多岐にわたる内容だった。
第18回ケアマネジャー試験を受験された方の参考になれば幸いです。